第2回『想像力みがき塾』講義録(テキスト)

第2回『高野塾 想像力みがき塾』

■前回の反応

第1回目の後にいろんな反応と言うか、感想を頂きました。
一つだけちょっと読ませていただきたいと思うんですが、とてもいい感想だなと思ったのがありました。

「前回の塾長の話で、私にとって印象深かったのはまっすぐなきゅうりの話でした。せっかくの想像力みがき塾です。これを機会に私も何か実践したいと思い、きゅうりをお題にして想像力を働かせてみました。そして想像してみた事を書いてみて、初めてノートへの投稿にも
チャレンジしてみました。
やってみてわかったことは、脳みそに汗する感覚でした。そして高野塾長や世の中の皆さんは、こうした経験を日々実践されているのだと知り、自分の無知さに驚きました。また、常識と呼ばれる物事を鵜呑みにしていた自己の姿に、少し気が付けたかもしれません。私にとっての挑戦はとてもささやかでまだ始めたばかりですが、想像力みがき塾でこれまで経験したことのなかった頭の使い方や時間の使い方のヒントを知り、楽しいと感じることができました。月に1回の早朝頭の使い方を鍛錬し、そして実践する道場。それが想像力みがき塾なのかもしれないと感じワクワクしております。どうぞよろしくお願いいたします」

という感想が届きました。すごいなと思いますね。
よく私のお師匠さんの大久保寛司さんも言うんですけれども、大久保さんが最近気がついたことは何ですかって聞くと、「自分が何も知らなかったっていうことに気がつくんだよ高野さん」といつもおしゃっています。

あのレベルまで行ってまだ知らないことが山ほどある。「だから学ぶんだよ」「誰から学ぶんですか」って「最近は若い人から学ぶ」って言い切っていますからね。
これもまたすごいなと思います。

 

■新しい環境を作っていく

私も想像力みがき塾も、実は自分で考え出すことなんて言うのは限界があります。
で、直接的に私にmessengerでね、「高野さん実は私ホテルで働いてます。高野さんが働いていたようなリッツカールトンとはまた違うんですけれども、そういうホテルで働く時の心得っていうのは、そうじゃないホテルと何か違いがあるんですか」
とかね。いろんな質問が直接やっぱりやってきます。

これはね。嬉しいなと思う反面、チャレンジだなと思うんですね。
ダーウィンっていう人がね進化論の中で、生き延びる者の話をしてますよね。生き延びる者はどういう人かっていう。
どういうものかって言うと動物ですよね。その環境にもちろん対応できなきゃいけない。だから強いものでもなく、賢いものでもなく、環境に対応できたものだけが生き延びてきていると。

実はこれ、リッツカールトンの創業者のシュルツィという人もそれを使って、我々にいつも同じこと言ってました。
リッツカールトンは、それまでのホテルの中でやってきたものを踏襲するのではなくて、全く新しい環境の中で生き延びていく方法を考える。もっと言うと新しい環境を自分達から作っていく
つまり新しい価値を作り出すことが、新しい環境を作り出すことにつながっていくっていう話を常々されてました。
本当にその通りだなと思います。

今回コロナっていうことで誰もが大変な思いをしている。これで喜んでる人なんて、ほとんどいないと思いますけれども、でもこれを、
どういう風に受け止めるかっていう受け止め方は、人様々だなあというふうに思うんですよね。

古典の中からの格言、格言と言っていいかどうかわからない。当たり前のことかもしれませんけれども、後ろを向いているとね、出来ない理由がいっぱい見つかるんですよ
これじゃ無理だよね、これやってたからこんなことになったんで、
これやったら何もできないよね、後ろを見てるとね、
出来ない理由がいっぱい見つかってくる。

 

■視点を変える

思い切って視点を変えて前を向くと、どうすれば行けるかなっていう可能性に、
気が付いてくるんですよね。
だから前を向くって言うことに、意味は何かって可能性を探すってことです。
可能性を探し続けるのが、我々の多分人生じゃないかなと思うんです。

なぜ人は不安になるかって言うと、前回も皆さんと話をしたと思うんですが、
人間ってやっぱり見えないものは怖い。
分からないものは怖い、ウイルスなんて人間の目には見えませんから、
見えないものっていうのは、どんどん自分の中の悪い想像力を膨らませてくれちゃうです。
恐怖ほど人を想像力を豊かにするものは多分ないです。

それもネガティブな方向に、ネガティブな方向に、どんどん想像力が湧いてくる。
きっとこんなことが起きるに違いない。
起きてもいないのに、こんなことが自分に起きたらどうしよう。
こんなことが家族に起きたらどうしよう。
それは当たり前だけれども、人間が持っている大事な機能の一つではあるんです。

皆んなが皆んな、人間がポジティブだったら、恐竜が来ようが大蛇が来ようが、ポジティブに、そこに近づいて行ってしまう。そうすると、命の危険があるわけです。
だから、人間はそういうものに対して、ちゃんと反応する恐怖心というものを持つ。
つまり、ネガティブの感情を持つことで、生き延びてきたっていう事実もあるわけだから、これは、人間持たなきゃいけない感情なんです。

ただ、この感情はコントロールしなければいけないっていう側面もあるんです。
そうしないと際限なく行ってしまって、最悪の場合、周りの人間が敵にみんな見えたり、
自分に危害を加える人間見えたら、その人間を排除して行くしかなくなっちゃう。
排除って一番嫌いな言葉の一つなんですけどね。

でも、そういうことですよね。
自分に危害を加えるんだったら、その人間を無くすか、排除するか、殺すか、
こんな恐ろしい発想に行ってしまう可能性があるわけです。

だから、当たり前だけれども、コントロールしなきゃいけない。
でも、人間が誰でも持っている感情だと思えば、コントロールさえすれば、
これは、自分を成長させてくれる可能性もあるなっていう風に気がついてくると思うんです。

 

■想像力をどこまで膨らませるか

先ほどのちょっと話に戻って、
例えば、その高いホテルに働いてる人と、そうではない人の違いって何ですか。
違いはないんですが、あえて、あえて違うという言葉を使って言うならば、
それは、自分の中にある想像力をどこまで膨らませるかっていう、この限界に、どこまでチャレンジしたかっていうことなんです。

例えば、自分が実際にリッツカールトン大阪を開業する時に、色んな人たちが集まってきたんです。
その時に、当然すぐ近くにある、リッツカールトン大阪の近くにある、
某ヒルトンホテルとか、某阪急ホテルとか、色んなホテルから皆さんが来て、某全日空ホテルもいらっしゃいました。

その時に、どういうような価格設定にしようかって話をするわけですよ。
当然のことながら、皆さんが考える、ここに集まってる営業マンにね、
皆さんが考える適正価格って、どのくらいだと思いますって言うとね、
ヒルトンは、いくらぐらいで売ってたの。
大体、1万5、6000円くらいの平均客単価でした。
だからまあ、リッツカールトンそれよりもちょっと高級を狙うんだったら、1万7000円くらいがいいんじゃないですかね。

今度は、他のホテルに働いていた人間が、うちはどんなに頑張ったって、ヒルトンの料金まで届きませんでした。
1万2000円くらいが限界でした。
例え、リッツカールトンといえども、1万4000円くらいな見解じゃないですかね。

とりあえず当面は、ヒルトンと戦うということも踏まえて、
ヒルトンよりも価格帯を抑えるのが、多分戦略的には正しいと思います。
いろんな意見が出てくるんです。

いろんな人の意見を聞いて、リッツカールトンは2万7000円からスタートしようと思ってるんだよって言った瞬間に部屋が凍りついて、全員が頭振って、高野さん冗談ですよねって言われました。
みんなに無理ですよね、ありえませんよねって言われ、本当は3万にしたいけど、
3万というのは、今の市場価格で一番トップをいっているヒルトンの場合だから、
そこまで行くのは、さすがにリッツカールトン無理かもしれない。

でも、2万7000円は普通に行けると思うよと言ったら、皆んながこれは無理でしょ。
でも、やったんです2万7000円で。

なぜ、2万7000円で無理っていう風に言ったかって、誰も経験してないからです。
2万7000円という料金を得る(うる)ための汗をかいてないです。
誰も、誰ものお店で汗かいてないです。

だから、自分がかいてきた汗は1万4000円、1万7000円を得る(うる)ための汗だ。
だから、そこに想像力の限界があるって言うことに気がつきさえすれば、
どうすれば、2万7000円という価値をお客様に提供できるかできないかっていうことが見えてくるはずなんです。

 

■自分が向き合っている社会課題

これはホテル業界だけではないですけれども、
すべての企業、すべてのビジネスマンが存在する理由って人しかないですよね。
社会課題の解決です。
それ以上でもそれ以下でもない。
自分がやっていることは、どんな社会課題を解決しているんだろうかっていう、この一点に絞って考えた時に、
堂々と自分はこういう課題を解決してますって言い切れる人であるならば、これ立派なビジネスマンですよね。

でも、なんとなく毎日過ごしてますっていう、
例えば、サラリーマンの人にね、あなたの解決してる課題は何ですかって言った時に、答えが返ってこないケースがあります。

毎日とりあえず会社に行っています。
とりあえず会社に行けば仕事があります。
そして、その仕事をやると月給がもらえます。
なるほど、あなたは何のために仕事をしているのかっていうことが、見えていないということになりますね。

そうすると、あなたのやってることは仕事ではなくて作業員ですよね、ということになってしまう。
そうすると例えば、
自分は、どういう仕事をやっていたとしても、自分が向き合っている社会課題って何だろう。
今回、こうやってこの機会を頂いてるって言うのは、
彩乃ちゃんにしてみると、自分が持っている社会課題を解決する一つの手段として、
高野が使えるかもしれないと思ってくれたわけです。

だから、こうやって最初から話をしながらね、色んな質問を僕にぶつけながら、
こういう風にやってみたいんです、こういうメッセージを届けたい人がいるんですという課題を解決するために、
こういう場面を作っているっていう事になるわけだ。

だから、社会課題の解決の一つの方法として、こういう場面を預かり、
僕はそこに、これはいいねっていう価値を得て、
そこで、声をかけさせてもらったら、賛同してくれる人がこれだけ集まって、一緒に話し合いをしているわけです。

有り難い話です。
とても有り難いなと思います。
今日の午後は、また半分生、半分リモートでやるという会もありますけれども、やっぱりそこでも同じなんです。
社会課題の解決、それ以外でもそれ以上でもそれ以下でもない。

そういう風に物事を考えて行くっていうのが、実は想像力を磨いていくことにも、
そのまま繋がって行くってことです。
だから、コロナで失ったものは僕は山ほどあると思うんです。
でも、今失ったもの、今、目の前にないもののことについて考えても、実は、課題は解決しない

じゃあ、今少なくても自分が持っているもの、
今あるもの、今あるネットワーク今ある知恵、
これをフル回転させることで、つまり思考回路を動かし続けることで、
何を見出す力が、自分の中にあるのかなっていうことを考える
ものすごくいい機会をもらったという風に捉えることはできる。

でも、これが揃ったらできるんです、これが足りないからできないんですと言って、
環境が整うのを待っていても、つまり満足できる環境が整うのを待っていても、
これ、いつになるか分からない。

あるいは、今までの環境が本当にベストだったのかって言うと、
実はその中にどっぷりいたっていうことに、色んな人が気が付いたわけですよ。
もっと違う可能性があったよな、もっと色んなことができるよなっていう、
自分に気がついている人がいる。

だから、今こういうふうに、zoomであったりとか、リアルな研修とかってのも、
実は、かなり増え始めてはいるんですが、
そういうところに参加している人たちの意識レベルっていうのは、
多分、コロナの前と、今とでは、全然違ったものになっているはずなんです。

同じ画面の中で、僕の話をしても、多分一年前の受け止め方と、
今の受け止め方っていうのは違うはずなんです。
皆さんのアンテナの開き方、それからレーダーの持っていき方、
思考回路の動かし方、多分、全部違うはずなんです。

そういう思考回路の中で考えていくと、今目の前にある自分の課題、
例えば、転職しました、ホテル業界に行きました、今までうっていたホテルは1万7000円でした。
でも、リッツカールトンで2万7000円のホテルをうらなきゃいけない。
それは無理だではなくて、何が違うんだろう。
今まで自分が作り出してきた価値と、これから自分が作り出さなければいけない価値の違いってなんだろう。

その価値の違いに、1万円という価格をお客様が感じてくれたら、
あるいは、2万円の価値を感じてくれたとしたら、
1万7000円プラス2万円で3万7000円の価値を我々が提供したら、
お客様は2万7000円を払っていただいて、払ってくれて、ありがとう、また来るねと言ってもらえるに違いない。

 

■発想の転換

これ、発想の転換ですよ。
この発想の転換をみんなでやろうよということでスタートしたんです。
でもみんながみんなね、それいいですねやりましょうと言ってくれただけではなく、
何人かの人は冗談じゃないですって言って、本当に辞めてしまった人はいます。

だから、それはその人の価値観で、もうこれしょうがない。
頑張ってねと言って、送り出しました。
他のホテルに、ちゃんと就職しました。
そこでちゃんと、1万6000円のホテルをうっていました。
それは、それでいいのです。

でも、残った皆んなで知恵を絞り、汗を流すと、どうすれば、どうすれば、
価値が生まれるのかってこと、皆んな考えてくれるようになるんです。
結果的には、2年経った時に、平均客室単価2万9000円超えていました。
たった2年で、でもたった2年と捉えるのか、
2年は長いねと捉えるのか、これは捉え方だと思いますけども、
僕にしてみたら、2年って、そうか2万7000円を超えてくれたかっていうのはね、ものすごく嬉しかったんです。

そうなると、もう、皆んな今まで無理ですって言ってたことすら忘れ、
我々が提供できる価値はこれなんですよと言って、お客様の前に堂々と出て行って、
誰よりもすごいトークをするんです。

でも、その時に、うちの部屋はこんな部屋なんですとか、
うちの食材、こんなの使ってますっていうことは誰も言っていないです。
どういうトークになっていくのか、お客様が今、抱えている課題、今、お客様にとって一番大事なもの。

例えば、それは結婚式であれ、会社の10周年記念20周年記念であれ、いくらの予算でやりますかって話じゃなくて、
今、その10周年記念という御社にとって大事な、そのピリオドを越えたい、越えて行った先に、
どういうものが見えているんですかと。

それをもし、リッツカールトンが一緒になって作らせていただくとしたならば、
我々がお手伝いできるものは何ですか、例えば、こういうことはできませんか、
例えば、こういうことをしたことによって、参加された御社のお客様に、
こういう思いを持って、帰ってもらうことはあり得ないでしょうか。

これから10年後に、もしまた、うちのホテルを使って、20周年記念30周年記念をやって頂いたとしたならば、
その時に同じお客様をお招きした時に、そのお客様の会社が、今よりも発展されていた、そのきっかけを、
今回の10周年記念で、御社が作ったとしたならば、御社を世の中に、すごい価値を生み出すことになりますよね。

それをリッツカールトンが、一緒にやらせてもらえる可能性はどうでしょう。
これ実は、リッツカールトンのセールストークなんです。
まあ、セールストークという言い方をしてしまうとね、あのいかにもハウツーぽくなってしまうけれども、
結局、社会課題を解決していくっていうことは、目の前にいるお客様の課題を、我々が本気になって向き合って、
それに対して、どんな提案ができるかってことを、頭に汗をかいて考えることじゃないですか。

これさえ外さなければ、どういう仕事をやっていても、
どんなお客様が目の前にいても、実は怖いものは何もないんです。
と言いながら気がついたことは、今、私が見ている皆さんは既にそれをやっている方ばかりでした。

だから、それはね、なぜ今ここで、改めて言ってるかっていうと、
それを、皆さんが皆さんの周りの方に、語らなければいけないって話ですよね。
皆さんが自分でされていること、例えば、僕はずっとやってきたこと、
これ皆さんにお伝えして、それはまた皆さんが、そうだよな、それを実践されて、
その実践したことを、また他の人に伝えて行くっていうことが社会の価値を上げていくってことになるわけですよね。

だから、同士なんです。
私は、ここに写ってる皆さん、この方もいてくれるな、皆んな見えてます。
でも、皆さん同士は、多分この人たちは会ってないな。
これ全然まだお会いしてない人が、こんなに画面の中にいるなっていうことが、皆んな見えているんです。

どこかのタイミングで、本当に皆さんがリアルに集まって、リアルな場で、
5人とか6人で、ディスカッションをする機会があったとしたならば、これはすごいパワーになると思うんです。
ただ、現実問題としてね、富山から参加されている人も、長野から参加されてる人も、
もっとずっと遠くから参加している人もいるので、実際にそれがどういうタイミングで、できるかってことは分かりません。

これはね、私からしてみるとね、ものすごいパワーの源泉が、ここの画面の中に皆さんいらっしゃる。
それが、今はまだ一部の人は繋がってるけども、繋がってない人が多い。
これが、一つの面としてね、点として存在しているものが、ある人は線として繋がってるけれども、
これが、一つの面として繋がってったら、すごいパワーになると思うんですが。

彩乃ちゃんも、この画面からすごいパワーを感じる人ばっかりでしょう。
どうですか、朝の日曜日のこの時間に、この、この目力ですよ。
すごいでしょう。
こういう人たちとね、僕は生でお会いさせてもらう機会が、それぞれ多くの場合、別々なんですけれども、とても有り難いです。

だから、エネルギーを発しながら、そのエネルギーをまた頂きながら、やらせて頂いてる。
エネルギーの循環ですよね。
こんなに有り難いことはないです。
だから、そういう場を、どんどんやっぱりこれから先ね、もっともっとね、本当は作っていきたいなという風に、実は思ってるんです。

先ほどの話にちょっと戻りますとね、これは想像力ということで、一つのサンプルとして、
値段というのは非常に分かりやすい、価値っていうのも、非常に分かりやすい。
リッツカールトンっていう会社が、大阪で開業した時に、他のホテルよりも1万円以上高い料金設定をして、
2年間でその料金設定を超えていくっていう時に、仲間と一緒にやっぱり、やらなければいけないことが沢山あったんです。

 

■新しい価値観

それは何かって言うと、発見しなきゃいけないんです。
新しいものを見つけなきゃいけないんです。
新しい価値観見つけなきゃいけないんです。
そういう新しい価値観を持っているお客様を探してあげなきゃいけない時に、
いくつか自分の中で、変えなきゃいけないものがあるんです。

非常にわかりやすい言葉で、皆さんにお伝えしていくとね、まず一つには、視点を変えていくってことです。
今までこれを見ていたなあという時に、ちょっと待てよと、この裏側にあるものってなんだ、
この横にあるものってなんだって風に、自分の視点を変えてみる。

本当に自分は、お客様のお客様の立場に立っての価値っていうものを伝える努力をしてきたのかな
どうなんだろう。
お客様視点で物事を見たときに、実はガラッと物事が変わることがあるんです。

もう一つは、非常に似ているんですが、視座を変えてみる
視座って言い方ありますよね。
つまり、自分の視点の高さです。

どの視点で見ていたんだろう。
視点を高く置くことによって、視点を遠くに置くことによって、もっと言うと、離見の見(りけんのけん)のように、
これは、まあ能の世界なんかにありますよね、演じている自分を見るもう一人の自分がここにいる。
離れて自分を見るもう一つの見方がある。
だから、この離見の見のように、自分の視差を変えてみる。
そのことによって、自分の居場所が、もう一度確認できるって事ですよね。

次に常識を疑う、これはもう皆さんがよく知ってることです。
当たり前を疑うってことです。
今のマーケットだったら、1万7000円って見解ですよね。
常識じゃないですか。
そうかな、1万7000円が提供している価値ってなんだろう。
1万7000円で提供してきた価値の、倍の価値を作り出すことはできないだろうか。

部屋の大きさを倍にすることではない。
カーペットの厚さを倍にすることでもない。
シャンデリアを2倍高い料金のものに変えることではなくて、自分たちが提供できる価値を、2倍にすることは不可能だろうか。
それは、非常識なことだろうか。
こういうふうに考えていくと、自分が提供できる価値がどんどんどんどん広がっていくっていうことがあり得るわけですよ。

九州で、実際にそれを体現して、会社をあっという間に大きくしてしまった、某竹村さんて人知ってますけどね。
今日も参加してくれてますけどね。
一番最初に、僕の九州百年塾に来た時に、この人多分一回で来なくなるなと思うくらい、ちょっと変わった人でしたね。
面白い人でした。
でもね、2回3回とね、通ってくれているうちにね、何が変わっていくかって言うと、僕の話を聞いてくれるアンテナが、
どんどん広がっていくのが分かるんです。

映っちゃってますね。
あのね、本当に人が変わっていく時っていうのは、その人の表情とか、その人の目とか、それからその人の後ろにあるアンテナが、
広がっていくのが分かるんです。
ってことは、今までの自分のやってきたことの常識とか、視点とか視座を変えていくと、物事がどんどん変わって行って、
結局、最終的にその人、そのものが変わっていく。

つまり、今まで自分が持っていた先入観が、どんどんどんどん取り外されていくんです。
自分の中にあった、かさぶたのようについていた常識とか、先入観ってものがボロボロボロボロ取れていくと、
まっさらな、素直な謙虚なアンテナが広がってくるんです。
これは実は、リッツカールトン大阪の開業の時に、皆んなにやってもらったんです。

もちろん、その僕も、昔ヒルトンにいたりとか、ウエスティンにいたんでね。
そのヒルトンのことを忘れなさいとかって言ったことは一切もないです。
もうウェスティンとは違うんだからねとか、全日空ホテルとは違うんだからって言った事一度もないんです。
それまで自分が積み上げてきた、その大事なOSをね、少しリッツカールトンの中に行って、
バージョンアップできる可能性があるんだったらば、皆んなで一緒にバージョンアップしようよ。

そのためのお手伝いは僕はいくらでもするから、今までせっかく積み上げてきた、そのOSは最大限活かしてよ。
そして、それをバージョンアップすることで、大阪のリッツカールトンが、
他のホテルとは全く違ったものを提供できる可能性沢山あるよな。

これは皆んなやってくれたんです。
最初皆んなこうやって聞いていました。
こうやってね、こうやって聞いてました最初はね、何人かはね。
はっきりと分かりやすいように。
最初はこうやって聞いています。

でも、だんだんとね、やっぱり皆んな素直に聞くっていうことの価値が分かってくるんです。
結局これをやっていても何も生まれないな、これをやっていても良いこと何もないんだって事に気が付くんです。
じゃあ素直になるって言うことで、その人のプライドが傷つくかっていうと、傷つかないことに気が付くんです。

それまでやってきた積み上げてきたものが、そこでゼロになるかって言うと、ゼロにならないことに気が付くんです。
もっと言うと、それまでやってきた事を、もう一度見直すきっかけになる。
実は、すごく大事なことをやってきたってことに気が付くんです。

他のホテルカンパニーの中にあった大事な価値観。
何気なく行ってきたような気がするけれども、今リッツカールトンの中で、
我々が理念とか、哲学とかって話をした時に、ちょっと待ってよと、今までいた会社の中で、
実は自分たちは、そういうことを言葉にはしなかったけど、大事なものを教えてもらってきたな。
そうやって育ててきてもらったじゃないかっていうことに気が付くと、それまでのことに対しても、
感謝することができるようになっていくと、これから先も、向き合っていくものに対してのワクワク感ってものが倍加されて行くんです。

そういう時間を皆んなで過ごしてみた、だから、クレドカードっていうものも、
それはリッツカールトンの理念というものも、真新しいものではないなっていう事に、皆んな気が付くんです。

言葉は違うけれども、他の会社だって、皆んな同じような事を考えて、自分たちを育てようとしてくれていたんだな。
ただ、ただ大事なことは、リッツカールトンと、他のホテルカンパニーの違いに気が付くんです。
それは何かって言うと、リーダーたちが発しなければいけないエネルギーの大きさかける回数なんです。

リッツカールトンは、リッツカールトンのクレドについても、理念についても、哲学についても、すごいエネルギーで。毎日語るんです。
他のホテルカンパニーも、リーダー達はそれを語るんです。
でも、エネルギーのレベルがそこまで高くはない。
そして、とても大事なことは回数が違うんです。
一週間に1回語る、月に1回語る。
年に2回の全体会議で語るのと、毎日語られるのとでは、受け入れる側に積もっていくエネルギーレベルが全く違ったものになっていく。

そのことに皆んな気が付いてくれるんです。
今までもちゃんと教えてもらってたな、ちゃんと伝えられていたんだな、ちゃんと自分たちのことはリーダーたちは気にしてくれていたんだな。
でも、回数は違ったな。
そこから生まれるエネルギーの総量が違ったなっていう事に皆んな気が付いていくんです。
これが実はとてもシンプルなんだけど、大事なことなんです。

 

■成功している人とは

いい本に出会いました。
素晴らしい本に出会いました。
ああなるほど。
私の知り合いで、ジェームススキナーっていう人間がいます。
キューステップという素晴らしいセミナーをやっていて、私もこれに23万円払って、三泊四日行きました。

黙ってお金払って行ったんですけど、なんだ高野さんが来るんだったら、招待したのにって言われたんですけど、それでは意味がない。
それでは意味がない。
ちゃんと自分に対する投資をしないことには、多分そこに行っても参加させて頂いた、
招いていただいた者の視点でしかものを見なくなっちゃうんです。
だから、ちゃんと自分でお金を払って、そこに参加することで、キューステップとは何か、
キューステップで伝えたいものは何か、そこに参加している人たちの期待値は何か、
その人たちは持って帰るべき価値観は何かってことが参加者の目線で見えてくるんです。

だからそこに参加したんです。
まあ、彼が7つの習慣というのをね、日本に紹介する時に、あれは彼が訳したんですよ。
そのね、校正原稿、まだリッツカートン時代でしたけど、彼と出会ってしばらく経ったときに、
こんな厚い校正原稿が2冊も届いてね。
高野さんこれちょっと読んでって言われてね、読んだんですけど。

彼は日本語が得意なんです。
得意過ぎるんですね。
最初に翻訳したのがね、難しい日本語を山程とぶつけるわけですよ。
論文じゃないんだから、しかも上巻下巻にしたいってわけですよ。
そうすれば、2倍儲かるとか、訳の分かんないこと言っているわけですよ。

無理です。
それは僕は賛成できない。
まずこの中に使われてる言葉を、もっと平易な言葉に直そうよ。
そして、一冊にまとめなきゃダメだってね。
これ喧々諤々とやってね。
最終的にはね、僕が説得しちゃった。
そして1冊にしました。

そしてこの原稿を全部ね、赤入れましたよ。
第1冊目の時に、そのご縁もあってね、推薦文とか書けとか言われて、分かったって書いたんですけどね。
結果的には2百万部以上が実は売れました。
素晴らしい本でした。

なぜ彼と一緒にお手伝いしようかなと思ったのは、理由が2つあって、
一つは7つの習慣、The 7 Habits of Highly Effective People(セブンハビッツオブハイリーエフェクティブピープル)、
本題ですけどね、あの原書、これはリッツカールトンの教科書だったんです。

リッツカールトンの教科書だったんで、機会があれば、これは日本で紹介したいなと思ってた時に、
ジェームススキナーという人間が出てきて、彼と話をしている中で、
彼だったらば任せたいなと思った理由は、いくつかあるんですよ。
それは何か。

彼はあの本を何回読んだと思います。
何回読んだか。
100回読んでるんです。
100回読んだんです
だから、彼に任せようと思ったんです。

僕はせいぜい20回かそのくらいしか読んでないんです。
リッツカールトンの教科書だから、セールス会議のミーティングの時に、必ずその中のテーマが出るんでね。
これ読んでないと大変なことになるんで、全部読みました。
何回も。
だから、20回以上僕読んでます。
もちろん日本語にしたやつは、もっと読んでますよ。

でも、英語のあの原書も、20回以上は読んでますっていう話をジェームスに話をしたら、
高野さん、僕は100回以上読みました。
その瞬間に、これを訳すのはコイツしかいないなと思ったわけです。

何を言いたいか、色んな人が色んないい本に出会うんです。
色んないい本に出会うんです。
カーネギーの人生書、哲学書、読みましたって人がいるんです。
私も読みました。
私は読みましたという人にいっぱい出会いました。
私も読みました。
この本は50回以上読みました。

でも、このデール・カーネギーの本を読んで、
成功している人と、成功していない、成功になかなか至らない人が、やっぱり世の中にはいるんです。
7つの習慣を読んでも、それが身に付く人と、なかなか身に付かない人がいるんです。
それを身につけて実践している人と、なかなか実践に至らない人がいるんです。

何が違うのか。
何回読みましたかって聞いてみるとすぐ分かるんです。
そうすると、読みましたいい本です、素晴らしかった感動しました。
で、その本どうしました。
奥の書棚に大事に取ってあります。
じゃあ、あなたは1回読んだんですね。
読みました。

いわゆる成功している人、実践している人に話を聞くと、何回読みました、何回読んだかな、
少なくとも5,60回読んでますよとかね、100回近く読んでいるんじゃないかな。
1回読みました、書棚に飾ってあります、なかなか成功できない人。
5,60回読んでます、100回近く読んだかなと言って、見事に成功している人
そろそろ、その違いに気がつきませんかって話ですよね。

この話をジェームススキナーと一晩したことがあります。
一晩、話をしました。
7つの習慣について話を始めると、彼は3日ぐらい三日三晩寝ないで話をできる人間ですから、
それは死ぬから、俺が辞めてって言ったんですけど、一晩本当に語り明かしたことがあります。

物事の本質っていうのは、結局そういうところにあるんだろうな、ものすごいシンプルなんです。
ものすごいシンプルなんです。
だから回数というものは侮れないってことです。

1回出ました。
いいセミナーに出ました、素晴らしいセミナーでした。
なるほど、そのセミナーの一番良いフォローアップの方法って何か分かりますかって言った時に、
ちょっとこれ良かったから、他の人のセミナーにも出てみます、それはそれでいいんです。
でも本当に良いセミナーだったなぁと思った、そのセミナーのベストなフォローアップは、
もう1回そのセミナーに出ることです。
そして2回出て感動したら、もう1度そのセミナーに出ることです。

そして、それが自分の中に血となり、肉となって、自分の中の自分のスタイルとして、
実行できるようになった時に、初めてそのセミナーが良かったということに、深いところで納得できるんです。

だいたい物事そうですよね。
何で、リッツカールトンの創業者のシュルツィーは、365日どこかでリッツカールトンの理念とか哲学を語り続けたか。
彼は数というものに対して、ものすごいこだわりがあったんです。
何回語るか、エネルギーレベルにおいては、誰も敵わないくらいのエネルギー持っていたにも関わらず、
そのエネルギーを毎回同じエネルギーをかけながら、365日語り続ける。

その先にあるものが見えているからですよね。
当たり前ですけども、彼は何をしたいのかっていうことが見えていて、
我々にどういう人間になって、どういうリッツカールトンマンになって欲しかったのかってことが、
明確に見えていたから、そのエネルギーを1度たりとも惜しまなかった。

目的が見えていない、目標が見えていない、そういう人にエネルギーを湧き上がらせることはできないんです。
これはもちろんポジティブなエネルギーだけではなくて、ネガティブなエネルギーでも、
本気でエネルギーを持ってる人間ってのは、そっちに人を引きずって行きますよね。

ネガティブって、言い方は正しくないかもしれませんけども、例えば宗教。
なぜあんなにあの人の、こんな言葉についてちゃうんだろうという事件もありましたけれども、
そのエネルギーが強い、そしてそれを聞いている側に、そのエネルギーに反応するものがあるわけです。

我々は、リッツカールトンのシュルツィーという創業者のエネルギーに反応するものを持っていたから、
そのエネルギーに引っ張られて行って、そのエネルギーを、そのエネルギーを自分の中に受け入れて、
それを自分なりに咀嚼して、今度は伝える側になっていった。

リッツカールトンについて語れる人間、私の周りに多分1,000人ぐらいいます。
そのほとんどは海外にいますけどね。
日本国内にも何人もいますよ、大阪にもいるし。
それほとんどはもうリッツカールトンを辞めて独立していますけれども。
この3人くらいが集まると一晩リッツカールトンの話しをしていますから。
でも、そのリッツカートンを、懐かしむ話をしてるんじゃないんです。

リッツカールトンが、どういうプロセスで、進化してきたかってことを話をする。
そしてその進化の中に、自分たちがいた時に、何を学んだのかという話をするんです。
そしてそれを自分たちの中に取り入れて、リッツカールトンを辞めたその後、
リッツカールトンではこうでしたってお話だけではなく、リッツカールトンで学んだエッセンスを、
自分の中に取り入れて話をするときに、自分は何を伝えている、自分の中にこんな価値観が生まれた。

その事によって、自分はこういう会社をこういう風に、実は変えるきっかけを作らせてもらったという話をずっとしているんです。
関西電力の中でこういう話をしました。
こういうようなきっかけを作らせてもらいました。
あの大きな会社がすぐに変わると思わなかったけれども、子会社がこう変わりました。
この子会社もこう変わりました。
これを見ていた本社が気になって、その子会社に来て、何が起きているんだ。

実は、元リッツカールトンにいた松本さんという人が、こういう研修してくれました。
なんだそうなのか、じゃあ本体でも呼ぼうという話になっていきます。
当たり前過ぎることが実は起きるんです。
嬉しいことですよね。
遅れを取ってみたら、これほど嬉しいことはない。

そしてその人達が集まって話をするときに、これからの話をしています。
これからどんな価値を満たしたいのか、どんな役に立ちたいのか、どんなことができるんだろうか。
今度3人で一緒に何かやった時に、どんなエネルギーの連鎖が生まれるんだろう。
もう、ワクワクワクワクしかないです。
楽しくてしょうがない。

でも、それがいつになるかってのは、これはまだ分からないですよ。
来週になるかもしれないし、来年なるかもしれないし、あるいは連続してやるようになるかもしれないです。
これ分からないです。

 

■視野が広がる

話を戻しましょう。
そして、さっきの話にちょっと戻ります。
あの僕の話も大体皆さん分かってるけどね。
彩乃ちゃん分かってきたでしょ、僕の話ってこういう風に行くでしょう。
あっちこっち飛ぶでしょう。
でもね、飛びながらね、飛びっぱなしってことはないです基本的に。
基本的にこの道を行くぞっていう事が決まってるんでね。

あの狭い道じゃないんで、ちょっと、わき道がいっぱい見えるんでね。
わき道が楽しい。
この画面にいる皆さんは、本当に僕のことよく知ってる人ばっかりですから。
また逸れたなと思いながらね、どこまで行くのかなと思いながら、いつ戻るんだろうとか思いながらねえ、
聞いてくれてると思うんですけどね。

ちょっと戻りますね。
発見という一つの自分の中にある大事な感性です。
物事を発見し続ける。
これ想像力が必要なんですが、視点を変えて視座を変えて、常識を疑いながら、
先入観を取り除いて当たり前ですけど、視点を変えて視座を変えていくと視野が広がる。

視野が広がるってことは、どういうことかって言うと、色んな人の話に耳を傾けるっていうことが、
大事だって事が見えてくるってことですよね。
視野を広げるってのは、目だけではないですからね。
自分の中にある心眼と言われる心の目というのもありますから、これも視野を広げるのに役に立つわけですよ。
と、言うことは色んな人、自分とは全然価値観の違う人、自分の意見に反対するだろうな、
この人はあるいはこの人は全然自分とは違った世界で生きてるから、自分の話は通じないだろうな、
あの人の話も分からないだろうなという人と、会って話をすることが面白いという感覚が身についてくる。

多分、楽しくはないです。
話が合う人、同じ価値観持ってる人と話をした方が、絶対に楽しいです。
だから、おしゃべりは楽しいでしょう。
おしゃべりは楽しいんです。

でも、ビジネスの現場ってのは、楽しいだけでは絶対終わらない。
ただ、本田宗一郎さん、何で自分と違う考え方を持ってる人が、自分の周りに沢山いたのか。
だって自分と同じ考え方を持っている人間が、自分の周りに、例えば2人いたとしたら、1人はいらないってことじゃない。
いらないってことだよね。
だって俺がその考え方を持っているんだから、自分と違う考え方を持ってる人間しかいらないよな。

自分に対する疑問を投げかけてくれる人。
反対意見言ってくれる人。
もっと言うと、それつまんないんじゃないですかと、言ってくれる人。
そういう人がいても平気になれるような感覚、これはね楽しくない。
でも面白いんです。

これは、このポストコロナを生きていく時の、一つのキーワードになると思うんです。
面白がる、楽しくはないです、多分。
しばらくの間は、昔のような楽しさという概念で物事を捉えることは、非常に難しくなってくる。

楽しくないよね、彩乃ちゃんもね。
なんかこれもできなくなっちゃった。
あれもできなくて、家にいなきゃいけない。
これもやんなきゃ、これはやっちゃいけない。
楽しくないよね。

でもそういう状況を今味わえる。
しかも、有り難いことにコロナに関わらず、有り難いことに仲間たちも元気にいて、
でもこういう時間を過ごせる。
これって後で振り返ったら面白い時間を、過ごさせてもらったなと思えるかもしれない。

そうすると面白いという捉え方、面白がるという感性は、実は大事なんじゃないかな。
面白がることによって、さらにいいのは免疫力が上がるんです。
免疫力が上がるんです。
免疫力を下げる一番の強敵は何か。
恐怖心ですよね。
それから猜疑心です。
怖いと思う気持ち、疑うと思う気持ち。

自分の隣に来た親友なのに、あいつ大丈夫かな、この間、銀座にに行ったって聞いたけどとかね。
あいつ、この間、新宿行ったって言ってたよな、大丈夫とかってね。

これは注意をする事と、気を付ける事と、猜疑心を持ち続ける事っていうのは、分けて考えなきゃいけない。
すっごい大事なことだと私は思うんです。
疑い出したらキリがないし、強がりだしたらキリがない。
これ人間の、先程言った通り、感性の中にある大事な部分でもあるんで、
そこにフォーカスをすればするほど底が広がっていくんです。

でも、ちゃんと気を付ける。
当たり前だけれども、ホテルなんかに働いていたら、外出して営業でもなんでもそうですけれども、
手を洗わないってこと自体がおかしいんです。
ホテルマンは、皆んな手を洗います、外に出て。
レストランでもそうです。
もちろんメニューは拭きますけれども、同時に自分の手はきちんと洗って、次のお客様に向き合っていく。

こんなの当たり前過ぎることを当たり前にやっていたことなんです。
しなかったのは唯一お客様の前に出るときマスクする。
これはねホテルマンはしなかったですよ。
風邪なんかひいてたらも表に出させませんでしたからね。
今日は裏にいなさいとかね。
もちろん、その風邪が酷かったら、表に出ちゃだめだよとか、会社に来ちゃだめだよっていう話なんです。

けれども、マスクはしなかった。
手洗いとかね、これ当たり前なんですよ、うがいとか。
営業マンでもそうですよ、1日営業で戻ってきて、スーツにブラシをかけて、外の埃を払うの当たり前過ぎるんです。
そしてうがいをして手を洗う、こんなの当たり前なんです。

その当たり前の日常が、当たり前ではない人達にとって、いきなり日常になっちゃったもんだから、
皆んな、てんやわんやしてるだけの話であって。
でもそういうところに気を付けるということさえやってきたホテルマンにとってみると、
気を付ければいいよね、でもやっぱりマスクをしないと心配する人がいるから、
これはこれで常識としてマスクはしようやねっていう話なんですね。
それだけのことです。
非常にシンプルなことが、自分たちの周りに起きている。

 

■大久保寛司さん

さて、今日の本題、僕ちゃんと入ってる。
ちゃんと想像力、少し動いてる。
何か色々想像してる。
いいね、いいね、いいね、オッケーオッケー。

さて、ちょっとだけね、実はですね、これは宣伝をするわけでも、何でもあるんですけど。
伊那食品工業塚越会長は、今は最高顧問になっていますけど。
もう一度、大久保寛司さんと塚越会長が対談したDVDを材料にしながら、大久保寛司さんが読み解いた、
伊那食品工業の素晴らしさではない視点視座で、僕が実は、この2人を読み解いていくっていうコースがもうじき始まるんです。
12回コースです。
月に1回。

そのうちの1回は、今ちょっと日程調整をしていますけれども。
伊那食品工業に、実際に一泊二日、行ける人は二泊三日で行って、朝のラジオ体操から、お掃除から全部一緒にやってもらって、
その人たちに心を共鳴共感させながら、全てを感じ取ってもらうという、そういう時間をやろうと思ってるんです。

大久保寛司さんという人は、僕の師匠でもあるんですけど、物事を見通す何て言うんですかね、
天才とかそういう言い方するとね、仙人のような人なんですね。
物事を見通していく、仙人のような人
僕は仙人にはなりきれないんで、この仙人が読み解く伊那食品工業っていうもの、僕なりの視点で読み解いてみようかな。
大久保寛司さんが使っていない言葉。
大久保さんが、もしかすると、あえて語っていない言葉、視座、実は沢山あることに気が付くんです、このDVDを見ていてね。

例えばですけれども、伊那食品工業っていう会社、どれだけ素晴らしいかということはこの画面にいらっしゃる皆さん、
誰でもご存知じゃないかなと思うんです。
長野県の南信の伊那地方にあるね、かんてんぱぱってのを作っている会社で、40数年増益増収増員大きな発展は必要ない。
年輪のように、毎年、毎年、必要な成長だけしていけばいい。

いい言葉でしょう、年輪経営。
これをトヨタのね、今、社長が使っていますよね。
豊田章男さんがね。
会長の書いた年輪経営という本は、うちの会社の教科書なんだよっていう風に言い切っている人です。

気が付くことがあるんです。
塚越会長と僕も何十回もお会いさせてもらって、インタビューも、phpの勉強会をお連れしたりとか、
それから百年塾の人達をお連れして話を聞いたりとか、色んな機会に会長のお話を聞いて行く時に、何に気が付くかっていうことです。

無駄のない言葉で語る能力に長けてる人なんです。
余計なことは言わないんです。
本当はもっと、こういう言葉も付け加え、こういう言葉も付け加え、説明をすればいいのに、あまり説明しない。
無駄を省いて、相手にも物事を伝えるということにおいて、素晴らしい力を持っている。

これは大久保さんは周りで、それを僕が説明するとねっていう風に、大久保さんが読み説いていってくるんです。
その読み解いていく先に、今度は僕は何を見つけるかっていうのをこれから12回に渡ってやるんですけれども。

 

■ポストコロナの時代

今のリーダーと、ポストコロナにおいてのリーダーと、おそらく磨くべき能力ってものが変わってくるんだろうと思うんです。
これまでの世の中における企業であったりとか、組織のあり方とこれからのあり方違ってきますよね。
これは誰でもが気が付いている。
どうなるかってことは分からないです。

この質問もよく受けるんです。
messengerでやり取りしてるとね。
あれをfacebookにちょこちょこ書いたりすると、直接質問が来るんです。
高野さん、これからのポストコロナの時代って、どうなると思いますか、どんな時代になると思いますか。
よく聞かれます。
分かるわけがない。
誰も分からないです。
誰も経験してないから、分かるわけがないです。

でも予測することは出来なくてもね、予言しちゃうんです。
こんな時代になるんじゃないか、こんな世の中になるんじゃないかってことを勝手に想像して、
勝手に思い描いて、勝手に予言することは実はできるんです。

コンピューターの父っていうのは、あれはマッケーさんでしたっけかね。
アラン・マッケーですよね。(すみません。「アラン・チューリング」でした:スタッフ 以下訂正)
アラン・チューリングさんの言葉で、僕が一番好きなのは、未来を予測する最善の方法は未来を創り出すことである。
これアラン・チューリングさんの言葉ですよね。

コンピューターを作った人が、これを言い切っているわけですよ。
であるならば、自分にとっての未来ってこうあればいいなということを自分で予測して予言して、
これを作り出すことは、もしかしたら、誰でもが出来るんです。

例えば来年、例えば5年後、例えば10年後、今、自分が持ってる力。
例えばスケールの中に入るの難しいかもしれないけれども、
理想的なこの力が今あったならば、自分はこういうことができるだろうな。

でも今、自分の中にある力は5だな6だなと思ったら、この5であったり、4っていうものを埋めていくために、
今、自分が使うべき時間は何だろう。
自分の中にそれが無いとしたならば、今、自分が会うべき人は誰だろう。
参加すべきセミナーって何だ、読むべき本って何だってことが見えてくるわけですよ、具体的に。

それがないと、不安に苛まされるだけで、今日も1日終わっちゃった、どうなるんだろう明日は。
そして明日が1日は終わる。
やっとなんか解除になった、少し外に出歩ける、極端に言えばそういうことはどうでもいいんです、自分の人生の中で。
解除になろうが、自宅の中で謹慎している時間が必要であろうが、
自分の時間の使い方を決めることが出来るのは自分しかいないってことですよね、そうだよね。

自分の時間の使い方は自分が決める。
そして自分が使った時間の先にあるもので、何が生まれるかって事を考えることができるのは自分しかいないんです。
1日を無駄に過ごしても1日です。
1日を未来のために使っても1日です。
そういうことですよね。

だから、今の時間の使い方が、今の自分の未来をこれからの未来を決める。
もしかしたら、今日、出会う人が自分の未来を決めるかもしれない。
今日の時間の使い方が、自分の未来を決めるかもしれない。
今日読む本が、もしかしたら自分の未来を決めるヒントに出会う可能性があるかもしれない。
そう思うと、全ての時間が大事なチャンスですよね。

これを決めることが出来るのは、自分のボスでもなく、親でもなく、奥さんでもなく、旦那でもなく、
自分しかいないってことですもんね。
そう思うと、決して今、悪い時期ではない。
仕事が無くなったらどうしよう、これ大変なことです。
実際に仕事が無くなっちゃったっていう人、私も周りにいっぱいいます。

仕事無くなっちゃったんだよね、なんだかえらいことになっちゃってね。
でもなんで仕事がなくて、お金がそんなに余裕はないのに、僕のセミナーに出るの、僕の講演聞きに来るの。
実際そういう人が実は若手の中にいるんです。
お陰様で、ちょっとだけ貯金があるから、今それで飯を食うこともできるし、パンを買うこともできるんだけれども、
話を聞く時間に僕は投資したいんです。
そこに懸けてみたいんですと言ってきてくれる若者が結構いたりします。

これを応援したくなっちゃうんです、67歳としては。
そういう20代を見るとね、30代を見るとね、これを応援するしかないんです。
すでにもう、応援して、機会を作らせてもらった子が2人います。
とても良い人間関係の中で、今、張り切って、自分で第一歩、人生の第一歩、もう一度踏み出し直しています。
前世ってやり直しは出来ないけど、出直しは何回でも出来る。
50歳になっても60歳になっても、67になっても、人生、出直すことは何回でも出来るんですね。

やり直せないですよ、もう一度20代に戻れるかって、戻れない。
戻れないんだけど出直せるんですね。
出直すきっかけは、色んな所にある。
特に大きいのは人との出会い、場との出会いです。
今そこに投資をする覚悟、コミットメントする人としない人の違い、大きいなあというふうに思います。

最終的に人は一人で生きていけないって、これも皆の分かってることですけど。
人は1人で生きていないんだったら、どうするか、頼るべき時には人に頼る。
そうすると頼られる時期がやってくる、必ず頼られる時期がやってくるんです。
今、僕はある人に頼っています。
その人の持ってる力欲しいから、頼るんです。

1年間かけて、これから僕は、あるトレーニングをやろうと思っています。
その人に頼るしかないんです、僕にない能力だから。
そこに投資するんです、時間とお金を。

でも1年経った時に、今度それを僕が外で発信したい、だから投資するんです。
今それが出来るって言うことがとても有り難い。
お陰様で時間が出来ちゃいましたから、本当に時間が出来ちゃいましたから、今まで以上にね。

だって凄くないですか、これ。
今日はね、高橋スタジオをお借りして、これやってますけど。
zoomは場合によると、僕は自分の書斎からやっていますからね。
書斎にこれが無いです。
書斎にね彩乃ちゃんがいないんです。
だからね書斎でやんない。
これはね、ここでやるのが僕楽しみなんでここに来ているんですけど。

本当に2時間の企業研修も、zoomでこの間2回やったんですけどね。
これはね企業研修なんで、オープンにはできないですが、スタートする20分前にシャツ着て、
自分の書斎に移動したら、もう2時間の研修のスタート切れるんですよ。
終わったらzoomを切って、シャツ脱いで、隣の部屋に入ってビール飲んでますからね。

移動ゼロ、新幹線いらない、羽田に行かなくてもいい。
これは大阪の会社だったんですけどね、大阪まで行かなくて済むんですよ。
でも今回行くんです、。大阪に実は。
新大阪への近くにある会社にね。
これも8年間ずっと毎年やっていて、今回もzoomでやろうって話になったんですが、
タイミング的に7月の半ばなんで、高野さんちょっと無理お願いできるんだったら、来てよってんで、
もう喜んで飛んできますよって言ってね、また新大阪に飛んでくんですけど。

ただこれは半分zoomで参加する人もいるそうです。
毎回120名くらいな割と小ぶりな研修会なんですけど、今回は一応60人が生で出て、
60人はzoomっていう希望があったらしいので、これは会社側としてもオッケーだよって言って。
ただそこは僕はね、あえて行くんです。
やっぱりね8年間ずっと顔を合わせている人とね、元気でやってるってね、生でお会いしたいなってのもあるんでね。
行くんですねこれがね。
それはね、あのそれぞれの捉え方だと、私は思ってるんですけれども。

 

■伊那食品工業の塚越会長

話をちょっとまたあちらこちら飛びますが。
伊那食品工業の塚越会長というのが、この人は生では会わないと分からない。
この人の佇まいに触れてみないと分からない。
この人が案内してくれる、伊那食品工業のあの敷地の中を歩いてみないと、塚越会長という人が見えてこないんです。
多分こういう研修は多分今まで、おそらく誰もやっていないんです。

1度だけphpの若手研修で、そこに連れて行かせてもらった時に、会長がお時間取れたんで、
会長に案内してもらって、あの敷地の中を45分かけて歩いて来ました。
ずっと喋ってるわけではないんです。
この会長が敷地内を歩く佇まいから、皆さんは何を学ぶかってことを事前に話をしようと思うんです。
ここ見なさいってことは一切言わない、一切言わないんです。
あの会長の佇まいから、そして伊那食品工業という、この組織そのものの佇まいから、皆さんは何を学ぶか。
そこで働いている人の佇まいから皆さんは何を学ぶか。
簡単に言うとそういうことです、非常にシンプルなんです。

会長が凄いのは、きっと、あの色んな色んな人たちがいて、若い頃はもの凄くご苦労して会社も赤字だった、一番初期の頃はね。
そこの立て直しに、会長は行ったっていうふうに色んな人たちは聞かされてますけど。
あの会社を畳めって、本体から言われて、あの会社に行ったんですよ。
伊那食品工業いちのお荷物だから、あれは畳め、お前行って畳んでこいって言ってね。
畳に行った会社で、この会社を日本一の会社まで持って行く時のご苦労は、どれだけのものだったのか。
その時のね、お話を聞きながら、実はこの会長がその時の会長次第なんですけどね。

かんてんって海藻から作るんですけどね。
世界中から集まった海藻がね、積んである倉庫がある。
大きな倉庫に、これはチリからきた海藻、これはフィンランドからきた海藻、
これは、どこどこからどこどこらから、これは日本のどこどこだから、
ものすごい海藻がずらっと並んでいるんです。
色がみんな違うし、それぞれの海から取れてるので、海藻の質が違う。

そこを案内してくれる時に、たまたま今社長になった二代目の社長になった英弘さん、
塚越英弘さんも一緒にいて、会長がいて当時ね、英弘さんがいて僕がいて、
もう一人、実は一緒に行った人がいたんですけど。
そこで話を聞いて、英弘さんがボソッと、会長にしかできないんだよね、会長にしかできないんだよねって言われた時に、
英弘さん、何の話って聞いたら、会長がニコニコしてね、こうやってこっち見ているわけですよ。

ここにさ海藻あるじゃん。
これヨーロッパのあそこから来た海藻で、これ南米から来た海藻で、これ日本から海藻で。
寒天作る時って、全部の質を一斉に保たなきゃならないんだよね。
だからうちのD&あのdevelopmentの連中がね、ものすごい開発担当の人も、
ものすごい苦労して質を一定に保つのに、これをどのくらい、これを何割、これは何割、彼らは研究するんだよ。

うちの会長ってさ、これをこのぐらい使え、このくらい使え、これこれ使えってね、目で見てね指示するんだよ。
でも開発の連中心配だから、それをこうやって集めて混ぜてみると、均一になってんだよね。
開発何年やってきてもそれは絶対できない。
会長は海藻を見て、これこのくらい混ぜろ、このくらい混ぜろ、このくらい混ぜろ、分かっちゃう。

実は会長の本当の底力っていうのは、あの方の持っているビジネスセンスと、とてつもないビジネスセンスと、
だって40何年利益を出し続けるところ、ビジネスセンスがなかったら出来ない。
そんなことは分かってるんだけれども、もっと言うと寒天を作るという会社の中で、
どんなビジネスセンスがなければいけないか、これ分かるわけですよ。
誰よりも海藻を見た時に、その海藻の命を感じる力がないと、これとこれを混ぜたらこうなるって、誰も分かりゃあしない。
会長はこれを見ただけで分かる。

その時になるほどなっていうことに気が付くんです。
従業員満足度とかね、会社の中で皆んながラジオ体操をするとか、その指示命令系統が無いとか、
売上目標は誰も与えられて無いとか、そういうことの本質が全て見えちゃうです、そういうところから。
これは出来れば、行ってみたら一番分かりやすいんです。

でもそういう本質的なことも、これから1年間かけて問いかけていこうかな。
僕があの解き明かしながら問いかけていこうかな。
皆さんどう思いますかっていうことを問いかけていこうかな。
そういう時間にも使っていきたいなという風に思うんですね。

 

■質問コーナー

アヤノ  それではまずですね、私からになるんですけれども、高野さんに質問をしてみたいなと思います。
今日のお話を聞いて、結構ネガティブに浸り込んでしまうというか、私は今、結構そういう時期になってしまっていて、
コロナ云々ではないんですけど、ネガティブなことをずっと考えていて、コントロールがなかなか出来なかったりして、
前からポジティブになれるような、やっぱ本とか結構読むんですけど、読んで満足しちゃうというか、
お話にあったように、何回も良いなと思った本は、読み込んでいくのが大事だなっていうのは思ったので、
早速、実践はしていきたいなと思うんです。

高野さんもいつも穏やかでニコニコされていて、私はそんなに一緒の時間はまだ過ごせてないので、想像がまだつかないと言うか、
普段はどういう感じになるのか分からないんですが、ネガティブなってしまったり、怒ったりとかする高野さんが想像がつかないんですけど。
例えば、もしそうなった時に、どうやってコントロールしているのかとか。

私はリッツカールトンに行ったことがないんですが、リッツカールトンに行った人から話を聞くと、
リッツカールトンの方もニコニコとされているかと思うんですけど、やはりそういうホテルの従業員の方も、
どうしても、イラッとすることは絶対あると思うんですけど、顔に出さなかったりとか、態度に出さなかったりとかすると思うので、
そういうところをお聞きしたいなと思います。

高野登 なるほど、なるほど、なるほど。
あのキムタクが主演やった「マスカレードホテル」見た?
キムタク、イライラしていたね、あの中でね。
ああいうホテルマンもいっぱいますよ。
ちゃんとね裏に行くとね、裏でうわーってやったりしてるしね。

家で、かみさんは僕が外で仕事しているの聞いてるし、色んな感想が来るの知ってるんでね。
なんか外面いいらしいわよねって、言われるんですよ。
家でもお願いねって言われることありますから。
四六時中ニコニコするってことは、なかなか人間難しいですよ。

ただね、あの性格的に、どうしてもこのエネルギーって、プラスに使うエネルギーと、
マイナスに使うエネルギーの総量ってのは同じなんですって。
これはね僕は心理学の先生に教えてもらって。
ただ人は、80%ネガティブなエネルギーを使う努力をしている人がいる。
80%ネガティブになるための練習を一生懸命するから、どんどんネガティブになることが上手になっていて、
結果的にネガティブな人が出来上がっちゃう。

これゴルフの練習法と一緒でね、練習すればするほど上手になるでしょう。
でもね不機嫌になる練習してる人は、やっぱり不機嫌になるの上手になっちゃうんですよ。
ネガティブになる練習してるとね、上手になっちゃうです。
練習の効果は出るんです。
だからどういう練習するかっていうのを自分で決めるしかないね。

だから、よくその不安材料が多いんですとかね、今なかなか前向きになれないんですとかね。
なかなか自分の目標が定まらなくてって人に、特に若い人、彩乃ちゃんも若いんだけど、
例えば大学を出て会社に入ってまだなかなか自分の目標を持てって言われても目標が見えなんです、
どうしたらいいでしょうかねという相談を受けたりすることが多いんですよ。

僕のアドバイスはすごいシンプルで、
目標が見えない、定まらない時に、あなたが今すぐやらなきゃいけないことは感謝することだよねって伝えています。
とにかく何でもいいから、先輩から何か厳しいこと言われたら、叱って頂いたんだ、有り難うって自分の中にそういう感情を持つ。
褒めてもらったらこれ有り難いし、仕事もらえたら有り難いし、コピー取ってくれる人がいたら有り難いし、
万が一、お茶なんか入れてくる人がいたら有り難いし。
とにかく一日のうち、自分で何か感謝してみなさいよ、感謝すること考えてみなさいよ。

そうすると人に、何かやってあげなきゃなっていう気持ちが湧いてくる。
人がやってくれるわけだから、それを自分が感謝として受け止めたんだったら、
それを何か自分が少なくとも、その目標云々関係なく、なんか人の役に立たなきゃな、
これやってくれた人に、なんか言葉返さなきゃなということで、感謝を返して行くと何が起きるかっていうと、
周りが、その人を見る見方が変わってきちゃうんですよ、気が付かないうちに。
これはね、すごいシンプルなんだけど、意外と皆んながね、やっていないことなんです。

これは、昔ある人に教えてもらったんで、今でもそうなんですけど、朝起きて毎日やっているんですよ。
朝起きてね、この20年間ずっと、ドクター佐藤富雄先生に教えてもらったんだけど。
高野さんマンション住んでんだろうって言うから、そうです。
朝窓を開けて外に出て、雨が降って雪降ってようが晴れていようが、
最高の一日になるぞ、最高の一日になるぞと、3回唱えて、
今日もありがとう、ありがとう、ありがとうって言うとね、その言葉をあなたの大脳が一番最初に聞くんだよ。
そうすると、大脳は聞いたことを実現しようと思って、その瞬間から動き出す。
そしたら、1日がいい1日になっちゃうんだよってね、教えてもらったんです。

この人、博士号を7つくらい持ってる人だから、僕のお師匠さんの一人だったんですけど、亡くなっちゃったんですけどね。
箱根のご自宅にも何回も呼んでもらって、そういう話をずっと聞いていたんで、これはね20年間毎日やっているんです、今でも。
毎日やっているんですよ。

移動中って、物事を考えるのにいい時間じゃないですか。
移動中何も考えないで、今日また会社かとかってね思って会社に行く人もいれば、
朝起きてから今日のために自分ができることって何かなと。

今の自分の為に出来る事って何かな、3年後の自分のために今日やるべき事って何かなってことを、
例えば、20分でも30分でも通勤時間中に考えると浮かんでくるんですよ。
今日の仕事ってこれだな、今日任されたことこれだな、今日来るお客さんこれだな。

でも3後年のリッツカールトンの形の中で、自分がどうありたいのかな、そのために自分がやるべきことは仕事じゃないな、
本読まなきゃなとかね、人に会わなきゃなとかね。
今の自分を作るためにやるべき事と、3年後の自分を作るためにやるべき事と違うんですよ。
これを意識する。

彩乃ちゃんが、今すぐできる事ってね、不安を取り除くことじゃない。
取り除けない。
これはね取り除けない。
だから不安があるってのも、不安になる原因はある。
その原因は自分で取り除けるかって考えたら、例えば自分でコロナを取り除けるかって考えたら取り除けない。

でもさっき言った通り、コロナに翻弄されるんじゃなくて、このコロナっていうものと、
自分はどう向き合わなきゃいけないんだろう。
ただ、ただ怖がっていて、1日を過ごして、1週間を過ごしていいのかな。
それでも頑張ってる人がいる。
医療業界の人もいれば、色んな業界で頑張ってる人がいる。
その人たちに、この3日間くらいで、自分って何回感謝したかなって考えてみるとね、案外少なかったりするんだよね。
だったらそれをね回数を増やしゃあいい。

それだけ。
それだけでね、人間変わります。
保証します。
判子を押してもいい。
変わります。

松田くる美さんからの質問
自分とは違う価値観を楽しめるまでの過程で、参考になるエピソードがあれば1つ教えて下さい。

自分とは違う価値観をそれを楽しめません、面白がる。
あのさっき言った通りね、これなかなか楽しめないんですね。
もう一つはね、真面目さをやめる。

お世話になってる方なんですけど、本当に真面目な服を着て歩いてるようなね。
少し前までの宮崎中央新聞、僕も大好きな新聞なんですけどね。
今度名前が変わって、講演新聞にね、なってるんですけどね。
ものすごくねいい意味で、とても前向きな方なんでね。
もっとね、面白がるっていう発想を自分の中に入れてたらいいんじゃないかなと思うんですね。

自分と違う価値観って煩わしいんです。
せっかく自分がこう思っているときに余計なことを言う、全然違う視点で物事を切り込んでくる。
煩わしいよね。
なんでそういうこと言うかなっていうことが結構あったりする。

その自分の中で、今気持ち、今こっちに引っ張られたぞとかね、
なんかイライラしている自分がいるなとかね、あの離見の見っていうのはそこで生きるんです。
つまり、離れて自分を見ている自分っていうの、イライラしている自分がいるよな。

これホテルマンが身につける、最初に実はリッツカールトンで、身につけなければいけない能力の一つなんです。
毎回、毎回、言葉を選ばずに言えば、お客様は面倒くさい。
しかもリッツカールトンに来るお客様は特に面倒くさい。
なぜなら期待値が高いから。
期待値を上げているのは誰だ、リッツカールトンなんです。

自分たちが期待値を上げて、その期待値を超える事を期待してくれるお客様が来て当然なんです。
元を作ってるのは我々だからね。
それに対してチャレンジャーが来たって思うのと、面倒くさいお客さんが来たということで終わらせるのとでは全然違うんです。

自分にチャレンジしてくれる人が来た、これ嬉しいじゃないですか。
あとクレーマーって嫌だよね。
聞いたことあるでしょ、クレーマーって。
なんか苦情言う人ね。
でもクレーマーっていうのは、わざわざ我々の代わりに我々は出来ていないこととか、我々が足んないこととか、
お客さんがイラッとすることを気が付いたことを伝えてくれる人じゃない。

そういう視点で見るとね、クレーマーって実はありがたい存在なんです。
でもクレーマーって言葉を使ってる間は、クレーマーから離れられないので、リッツカールトンはクレーマーという言葉を無くした。
クレームっていう言葉も無くしたんです。
オポチュニティという英語に変えたんです。

我々に機会を与えてくれる人、考える機会、それから自分たちの中で、新しいものを発見する機会。
そういう機会を与えてくれる人という意味で、それは全てオポチュニティという言い方に変えた時に提案者になるんです。
そうするとねクレームは少ない方がいいじゃない。
でも提案事項は多い方がいいわけだ。
そうだよね、だって自分たちのあの改善、改良するための提案として捉えたら、自分たち気が付かなかったよな、
そんなとこまで気が付く人いるんだ。

ちょっときつい言い方だけど、確かに言われてみればその通り、これ提案でしょう。
そしたら提案という言葉に置き換えた時に、多いほうがいいという発想が浮かんだ瞬間に、
これはね、面倒くさい人からね、有り難い人に変わるんですよ。
だからの先程のね、松田くる美さんの答えにも繋がってくると思うんですけども、
価値観というものを、もう言葉を変えて、自分の中で置き換える習慣があるといいと思うんですよ。

そういう、あの言葉に置き換えるっていう、これは色んな方の本読んでいるとね、
確かに、言葉が我々の生活を作るな、習慣を作るなっていう本が沢山あるのでね。
これはもう読書家の松田さんはね、そういう本を読むことも参考になると思いますし、
色んな人とね、なるべく価値観の違うなって人と面白がってお付き合いされていくことをお勧めします。

最後ね、ゆるい質問なんですけど、高野さんが今泊まりたいホテルとその理由を聞きたいです。
答えにくいかもしれないんですけど。

応援したい人たちが沢山いるので、僕は受け入れてくれるホテルはどこでも泊まりたいんですが、
ただ大英断でホテルをクローズするっていうことを決めた六本木コラム?(なにを言っているかわからない)
ちょっと顔を出してきたんですけども、あそこはね、今、本当に泊まりたいな。
もっと言うと、泊まって応援してあげたいなというホテルですね。